4. 開業後に気づいた勤務医と違う点

 良い点としては、自分がやりたいことがやりたいようにできることです。仕組みづくりを含めて、自分がやりたいために周りへこうして欲しいと伝えて実践できています。

 大変な点としては、責任が増えるため、診療以外の外部の業者とのやとりとりや人事労務管理などの業務も増えることです。


5. (将来)一緒に働く仲間の先生に向けてのメッセージ

 勤務医で在宅医療に従事している先生は自分で開業してみたいというマインドを持って経験を積みたいタイプの先生や、大病院などの激務でお疲れになってしまったタイプの先生が多いように思います。

 在宅医療は安定した給与の確保や自分の時間が欲しいという先生にお勧めしたい働き方です。

 現在、お看取りは月15名程度です。夜間のオンコールは波がありますが、月に10~20回程度あります。夜間いつ呼ばれるかわからないオンコールの不安を和らげるために訪問看護師がファーストコールを受けてくれています。患者さんをきちんと把握してくれる訪問看護スタッフがいることは大変心強いです。(置き薬の活用などで患者さんの不安を少しでも解消するような努力をしてくれています。)医師が医師業務に専念できる環境作りに訪問看護の存在は欠かせません。日中の訪問時の対応の工夫や訪問看護のトリアージ存在でオンコールも毎日呼ばれるわけではありません。ただやはり継続的な医療で提供していくかが責務ですから、負担なく勤務いただけるシステムを構築しています。同行看護師が運転、診療補助を行いますので診療に集中していただけます。

 1拠点で対応できる患者さんの数は医師3~4名体制で300名程度が限界と思っています。現在はお陰様で患者さんが150名程度へと増えてきております。近隣の基幹病院に足繫く通い、病診連携も良好です。良い関係性を構築できているため、病院からの依頼を多くいただけます。私は前の勤務先から「依頼を断らない」ことをポリシーとして参りました。時には大変なご依頼もありますが、それでも断らないことを継続しているため、開業1年で多くの患者さんへ寄り添うことができています。

 一緒に働く先生へは経営者と同じ様な働き方をして欲しいと思っていません。日中にしっかり患者さんやそのご家族の方々と診療を通して向き合っていただき、週1回のオンコール対応にご協力いただければと考えております。働き方は柔軟に働く先生と一緒に考えていきます。

 私たちの在宅医療はライフワークバランスにを大事にできてかつやりがいのあります。病院よりも患者さんと過ごす時間が自ずと長くなるケースが多いので、患者さんから感謝される機会が多いのも魅力の一つです。この感謝いただけることが医師としてのやりがいに繋がっています。

 医師になって10年、専門医を取ってこれからどうしようかと悩む時期が私もありました。「町医者になる」とのゴールがありましたが、腎臓内科としてやってきた専門性を在宅医療ではできなくなることに最初は抵抗がありました。ただその思いは本当に最初だけでした。今はできなくなることよりもできることの方が多くなりました。

 在宅医療を未経験の先生や経験が浅い先生でも、常勤・非常勤を問わずに帯同して業務に慣れていただくOJT研修を実施しますので安心してご勤務いただけます。

 私が家で家族と過ごすことが好きです。そのため、一緒に働く先生もオンオフのメリハリをつけて長くご勤務して欲しいと思います。

 私自身のクリニック運営のモチベーションは「最終的にグループ診療体制にして、自分がやりたいこともできるし、しかっり休むことができる環境にしたい。自分がやりたいことをより多くの地域に届けたい、だから組織を大きくしたい。」と思っています。ですから、是非私たちの仲間に新たに加わっていただける先生を探しています。