ブログ

2020.03.03

薬学生の心をつかむ採用イベントとは? 新卒薬剤師の入社決定数を増やすイベント企画のコツ

MCS代表の岡本です。

採用イベントは、会社の魅力や特色について熱を持って学生へ直接伝えられる貴重な場です。他業界に比べ、採用対象の学生が限定的である薬剤師業界では、イベントの質が採用人数に大きく影響してくることをご存じですか?

採用イベントといえば、求人媒体が主催する合同企業説明会も含まれますが、本記事では個別会社説明会や内定者研修会など、自社が企画し学生にアピールしていくイベントに注目し、そのポイントについてご紹介します。

目次

  1. 学生向け採用イベントの種類
  2. ドラッグチェーン・調剤薬局の採用におけるイベントの重要性
  3. イベント開催の目的
  4. イベント企画のポイント

1. 学生向け採用イベントの種類

個別会社説明会

自社のホームページや求人サイトで学生が参加の申し込みを行います。

複数の企業が出展をする合同企業説明会や学内会社説明会にありがちなスペースや時間の制限がないため、自社のオリジナリティをもっとも発揮できる説明の場と言えるでしょう。予算に応じた創意工夫が求められます。

学内会社説明会

複数の企業が大学に出向き、在学中の学生向けにPRを行います。

薬剤師の採用を目指すには、薬科大学や薬学部が対象になります。自社の存在を認知してもらうきっかけとして有効な機会です。もとより知名度のある大手企業は、大学側から参加オファーがくる場合も。知名度がまだまだである会社は、大学との関係性を築き、参加のチャンスを獲得するところから始まります。

合同企業説明会

求人サイトが主催する大規模な説明会です。

全業界対象で開催したり、業種や学部を限定したり、種類はさまざまです。多くの企業が出展しライバルが多いため、他社にはない特色を打ち出すことが必要となります。大規模な展示場やホールで開催されるため、出展料が発生します。学生の目を引き付けるブース装飾にもコストがかかるため、企業の資金力が問われるでしょう。

内定者研修会

超売り手市場である薬剤師業界では、内定出し後の研修会も重要なイベントの一つとして位置づけられます。

薬剤師業界の内定辞退率は5割程度にのぼるため、入社までの数カ月の間、内定者の心をつかみ続ける必要があります。また、イベント色強めの催しだけではなく、勉強会など学びの要素を打ち出すことで、内定者の知的好奇心を刺激し、エントリーマネジメントをも可能にします。

その他のイベント

自社の企画力次第で、イベントのパターンは無限に増やせます。

ホテルでの食事会や、アミューズメント施設への招待など。イベント開催に付随して、学生の興味を引くような特徴的なDMや動画コンテンツなどのツール作製も、施策の選択肢として挙げることができます。いずれも、インパクトとコストパフォーマンスが要となるでしょう。

2. ドラッグチェーン・調剤薬局の採用におけるイベントの重要性

ここ数年、大学生の就職活動は売り手市場といわれ、業界全体が内定辞退者の多さに頭を悩ませている状況はご承知の通りと思います。

ただでさえ内定を手放す学生が多い中、医療に携わる薬剤師業界は景気の影響を受けにくく、採用対象が薬学生に限定されるので、他業界とは比べものにならないほどの“超売り手市場・学生優位”であると言えるでしょう。

薬学生の就職先として挙げられるのが、病院、一般企業(MRなど)、研究機関、そしてドラッグチェーンや調剤薬局が一般的ですね。

複数ありますが、人気の格差があるのが事実。病院や一般企業を第一志望とする薬学生が多い印象ですね。病院は欠員が出ないと募集が出ない上、募集人数も多くはありません。一般企業は他の職種志望の学生と同じ土俵で戦うことになるので、難易度が高くなる。人気度もさることながら学生にとって狭き門なのです。

そんな事情下で、学生の本命となりうる病院や一般企業の合否結果の影響を受けやすいのがドラッグチェーンや調剤薬局ですね。病院や一般企業が本命で、ドラッグチェーンや調剤薬局を併願するけど、学生からみて後者の内定は「取れて当たり前」という風潮があるんです。

ゆえにドラッグチェーンや調剤薬局の新卒採用活動では期間中、絶え間なく自社の魅力を訴えかけ、学生の気持ちをつなぎ留めておくことが重要になってきます。その機会として有効なのがイベント開催です。

3. イベント開催の目的

内定を得ることが当たり前である薬学生をターゲットにしたイベントを企画する際、まず再確認していただきたいのが、採用側のスタンスです。

学生を「選ぶ」のではなく、学生から「選ばれる」立場であることを認識せねばなりません。その上で、自社の魅力を伝え、学生の興味を引き付けておく。さらに内定者に対してはマインドを落とし込んでいく作業が効果的となります。

自社の魅力を伝える

薬剤師の業務は基本的に調剤業務なので、仕事内容だけを説明しても他社となんら変わりないものになってしまいます。

自社の魅力は何か、給与面なのか福利厚生なのか、はたまたキャリアアップしやすい人事制度なのか、アピールポイントを探ることから始まります。他社分析を入念に行い、他にはない特徴を打ち出していきましょう。

採用活動をしていく中で注意したいのが、他社からマイナス印象の情報を流された時の対応です。狭い業界ですので、他社からデマを流されることも少なくないんです。

例えば「離職率が高い、残業時間が長いといううわさを聞いた」と学生から問われた場合。感情的に批判で応戦せずに、何%や何時間などと具体的な数字をもって回答を返すようにしましょう。客観的な判断ができる数字を提示することによって、信頼度がアップし、その誠実な対応自体が魅力の一つになることもあります。

ですが、そもそも「離職率が高い、残業時間が長い」という話が事実の場合は、改善が急務であることは言うまでもありませんね。

魅力的な制度や対応を前面に出し、学生から「この会社っておもしろそうだな」とまず感じてもらうことが大切です。応募したくなる、入社したくなるような会社を目指して、学生目線で自社の魅力を分析し、イベントを企画できるといいですね。

内定者のマインドの醸成

学生優位だからといって、入社前までに学生を “もてなしすぎ” ても、入社後に実務とのギャップが生じ、早期退職につながる恐れがあります。

それを防ぐ意味でも、入社までの採用段階で、マインドを落とし込んでいく作業が有効です。「組織の入口管理」であるエントリーマネジメントの考え方にも通じます。

内定者研修会なりで、経常利益の見方や着眼点を教育するほかに、例えば、人間関係や就業環境の原因程度で、挫折しないよう考え方を刷り込んでいきます。そうすることで、入社後に問題が生じても逃げ出さずにステップアップしていく強いメンタルを形成することができるんです。

内定を出して終わりではありません。内定出し後も積極的に学生との接点を設け、入社までの土台をつくっておくといいでしょう。

4. イベント企画のポイント

単なる説明会や研修会などの集いで終わることのないように、一つひとつのイベントを戦略的に組み立てていく必要があります。また、内定者向けのイベントについては、学生の志向性を踏まえた企画にすると、スキルアップにつながるので学生本人の満足感も得られやすくなります。

限られた採用活動期間の中で、より効果的にイベントを打ち出していくポイントを説明します。

関係性を築くため複数回開催する

単発で企画していくのではなく、年間行事として捉えられるといいですね。年間を通じてイベントごとにテーマを設け、ストーリー性を持たせていきます。

例えば、

  • 合同企業説明会 →会社概要や実績など障りの事実となる“数字”を見せ、自社の説明会に誘導
  • 個別会社説明会 →終了後に店舗見学会を設定し現場の“リアル”を見せる
  • 内定者研修会 →入社誓約書の提出数を“増やす”
  • 2回目以降の内定者研修会 →内定意思を“固めさせる”ために施策を打つ

まず、選考に応募させることに始まり、面接を経て研修会へ導き、最後は入社を迎える。という流れになります。

同じようなイベントを繰り返し開いても意味はありません。同じ内容では飽きられてしまうので、採用側の人材確保の目的を担保しながらも、学生に対し、新たな発見を提供することも大切です。

企画力が問われるので、採用手法の進む一般企業を参考にしたり、視野を広げて結婚式などのイベントからヒントを得てみたりしてもいいでしょう。

また、複数回にわたり開催していくことで、“学生リクルーター”を発掘できることがあります。

早期に入社の意思を固めた学生は、自分以外の入社確定者を増やしたがる傾向にあるので、採用側からのリクエストに応じて協力的な振る舞いをしてくれることも。採用担当者から勧誘されるよりも、同じ境遇の者からアプローチされる方が効果的な場合があるので、内定者の中からリクルーターを見つけると強い味方になってくれるはずです。

志向性別イベントで内定者のポテンシャルを引き出す

学生によって考え方や興味事は異なるので、参加したいと思うイベントも千差万別のはず。事前に会社説明会などでワークショップを実施し、学生の志向性を把握することが必要になりますが、学生のタイプをカテゴライズしておくと、効果的なイベントを催すことが可能となります。

例えば、

  • “上昇志向が高い”タイプ →業界分析の方法や数値表の見方などの勉強会
  • “専門性を高めたい”タイプ →OTC医薬品など薬剤情報に特化した勉強会

志向性にマッチした勉強会イベントを選択型で設定すると、内定者のポテンシャルを引き出すきっかけとなり、本人の知的好奇心も満たされます。かつ入社後にも役立つ学びとなるので、必然的に会社にとっても有益と言えますね。

この記事を書いた人

岡本泰充

岡本 泰充

薬剤師。スギ薬局グループに新卒1期生として入社し、現場の薬剤師業務に従事する傍ら、薬剤師の新卒採用責任者として採用活動に奔走。人事として関わったメディカルスタッフの数は、延べ数千名に上る。 2018年、前職でのメディカルスタッフ採用の知見を活用して人材サービスの提供を行う「株式会社MCS」を設立、現在に至る。

お問合せ Contact

ご質問・ご相談など、お気軽にお問合せください。

お問合せはコチラ